明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。
今年は卯年ということで兎の話をしようと思います。
干支にはそれぞれ意味があります。
兎はなんでしょうか?!
兎は「飛躍」を意味しています。みなさんにとって飛躍の年になりますように!
また、兎は前足が短く後ろ足が長い動物です。
よって上り坂に強い。上り調子の意味にとらえられるのです。
みなさんにとって上り調子の年になるように!
日本の歴史を紐解くと、古事記に因幡の白ウサギという話があります。
鈴木三重吉の『古事記物語』が青空文庫にあったので引用してみます。
この大国主神(おおくにぬしのかみ)には、八十神(やそがみ)といって、何十人というほどの、おおぜいのごきょうだいがおありになりました。
その八十神(やそがみ)たちは、因幡(いなば)の国に、八上媛(やがみひめ)という美しい女の人がいると聞き、みんなてんでんに、自分のお嫁(よめ)にもらおうと思って、一同でつれだって、はるばる因幡へ出かけて行きました。
みんなは、大国主神が、おとなしいかたなのをよいことにして、このかたをお供(とも)の代わりに使って、袋(ふくろ)を背おわせてついて来させました。そして、因幡の気多(けた)という海岸まで来ますと、そこに毛のないあか裸(はだか)のうさぎが、地べたにころがって、苦しそうにからだじゅうで息をしておりました。
八十神(やそがみ)たちはそれを見ると、
「おいうさぎよ。おまえからだに毛がはやしたければ、この海の潮(しお)につかって、高い山の上で風に吹かれて寝(ね)ておれ。そうすれば、すぐに毛がいっぱいはえるよ」とからかいました。うさぎはそれをほんとうにして、さっそく海につかって、ずぶぬれになって、よちよちと山へのぼって、そのまま寝ころんでおりました。
するとその潮水(しおみず)がかわくにつれて、からだじゅうの皮がひきつれて、びりびり裂(さ)け破れました。うさぎはそのひりひりする、ひどい痛(いた)みにたまりかねて、おんおん泣き伏(ふ)しておりました。そうすると、いちばんあとからお通りかかりになった、お供の大国主神がそれをご覧(らん)になって、
「おいおいうさぎさん、どうしてそんなに泣いているの」とやさしく聞いてくださいました。
うさぎは泣き泣き、
「私は、もと隠岐(おき)の島におりましたうさぎでございますが、この本土へ渡(わた)ろうと思いましても、渡るてだてがございませんものですから、海の中のわにをだまして、いったい、おまえとわしとどっちがみうちが多いだろう、ひとつくらべてみようじゃないか、おまえはいるだけのけん族をすっかりつれて来て、ここから、あの向こうのはての、気多(けた)のみさきまでずっと並(なら)んでみよ、そうすればおれがその背(せ)中の上をつたわって、かぞえてやろうと申しました。
すると、わにはすっかりだまされまして、出てまいりますもまいりますも、それはそれは、うようよと、まっくろに集まってまいりました。そして、私の申しましたとおりに、この海ばたまでずらりと一列に並びました。
私は五十八十と数をよみながら、その背なかの上をどんどん渡って、もう一足でこの海ばたへ上がろうといたしますときに、やあいまぬけのわにめ、うまくおれにだまされたァいとはやしたてますと、いちばんしまいにおりましたわにが、むっと怒(おこ)って、いきなり私をつかまえまして、このとおりにすっかりきものをひっぺがしてしまいました。
そこであすこのところへ伏(ふ)しころんで泣(な)いておりましたら、さきほどここをお通りになりました八十神(やそがみ)たちが、いいことを教えてやろう、これこれこうしてみろとおっしゃいましたので、そのとおりに潮水(しおみず)を浴びて風に吹かれておりますと、からだじゅうの皮がこわばって、こんなにびりびり裂(さ)けてしまいました」
こう言って、うさぎはまたおんおん泣きだしました。
大国主神(おおくにぬしのかみ)は、話を聞いてかわいそうだとおぼしめして、
「それでは早くあすこの川口へ行って、ま水でからだじゅうをよく洗って、そこいらにあるかばの花をむしって、それを下に敷いて寝(ね)ころんでいてごらん。そうすれば、ちゃんともとのとおりになおるから」
こう言って、教えておやりになりました。うさぎはそれを聞くとたいそう喜んでお礼を申しました。
この話は皮をはがれた兎の皮が元通りになるということで
「再生」を意味しています。
今の自分は皮がはがれたウサギのような2010年でした。
2011年は皮の再生が出来る年にしたいです。
飛躍、上り調子、再生
2011年が皆さんにとって飛躍、上り調子、再生の年になりますように、年始のご挨拶にさせていただきます。
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